※月刊Kacce2026年1月号(vol.503)掲載記事を再編集したものです。
あけましておめでとうございます。
元日は、年神様を迎える特別な儀式が行われる日。神様を招くため門松を立て、依り代としての鏡餅を供え、裏白(シダ)や昆布、橙などの縁起物を供え、神様と共に「おせち料理」をいただきます。お屠蘇は邪気払いの飲み物です。最近は海外の祭りが盛んで、門松を見かけることも少なくなりました。
今月は、皆さんがよくご存じのニンジン(セリ科ニンジン属)です。露地栽培では春まきと夏まきがありますが、旬は冬の野菜です。栽培の歴史は古く、紀元前3000年頃にはアフガニスタンを含むイラン高原あたりで栽培されていたそうです。日本に渡来したのは16世紀頃のようです。


ニンジンにはカロテノイド類が豊富で、特に皮の近くに多いため丸ごとの利用がおすすめです。脂溶性なので油で炒めると吸収率が高まります。小腸で吸収されたβ-カロテンは体内でビタミンAに変換されます。ビタミンAはサプリメントなどで過剰に摂ると中毒の恐れがありますが、野菜から摂ると安全です。不思議なものですね。
町中散歩をする際には、八百屋さんなどをのぞいてみてください。変わった色のニンジンが見つかるかもしれません。葉もついていればさらに彩りがきれいです。花は6月頃ですが、見ることは少ないと思いますので、写真を参考にしてください。
サザンカやビワの花、クロマツの冬芽、花壇のビオラなども眺めながら新年の散歩をお続けください。



森野かずみ
