
この夏、板橋区立教育科学館で開催される企画展「ウニコレ!?〜棘皮(きょくひ)動物はふしぎ〜」は、ウニやその仲間の不思議な魅力に迫るユニークなイベント。企画を担当した教育科学館研究員の桑原さんにお話を聞きました。
写真:桑原祥平さん(クワちゃん)
担当は生き物全般。クワちゃんの名刺は
レアカードみたいでかっこいい!
※2025年7月号掲載当時のものです。内容が変更になっている場合があります。
脳も心臓もない不思議な生き物
「ウニは世界中におよそ1000種類存在すると言われています。深海や南極に生息する種も確認されています。日本には約150種類がおり、その中で食用とされているのは、ムラサキウニやバフンウニなど、わずか数種類です」と教えてくれたのは、教育科学館を訪れる子どもたちから「クワちゃん」の愛称で親しまれている桑原祥平さん。見せてくれたのは、ランプのかさのような形をしたものや、5つの穴が空いた平たいものなど、色も形も大きさもさまざまなウニのコレクション。あれ? ウニってトゲトゲのイメージですが、どれもトゲがない…?
「これはウニの殻なんです。ウニが死んでトゲや表皮が取れ、殻だけになった状態のもの。貝殻と同じく、主に炭酸カルシウムでできています」
漂白などの処理を施し、乾燥させたウニ殻に下からライトを当てればウニランプのできあがり! 殻に空いた無数の穴から光がこぼれて神秘的な美しさ。まるでアート作品のよう。
「ウニランプは、ウニの体の構造を知るのにもってこい。たくさんの小さな穴は、管足というウニの足が通っていたところです」
ウニに足があるというのは初耳。さらに上部にある大きな穴は、口ではなくて肛門と聞いてビックリ! ちなみに口があるのはウニ殻の下側。また、ウニには脳も心臓も血管もないとのこと。何とも不思議な生き物です。

カラフルで形もさまざまなウニ殻は見ているだけでも楽しい!

光る穴の配置を見ると、ウニや棘皮動物に特有の「五放射相称」という構造が、よくわかります
子どもも大人も楽しめる企画が満載
ウニランプを作るワークショップ(科学教室)をこれまでに何度も開催してきた桑原さん。短時間では伝えきれない、ウニの魅力をもっと知ってほしいという熱い思いから、今回の企画展を開催することにしたそう。
企画展では、さまざまな種類のウニの殻やウニの模型を展示し、動画などで生態を解説。もちろん、ウニと、ウニの仲間であるヒトデやナマコなどの棘皮動物の生体展示もあります。そのほか、トークショーなどの特別イベントや、ウニ好きクリエイターが作ったウニ殻ピアスやキャンドルなどのグッズ販売、ウニゲームやウニガチャなどが集結する世にも珍しい祭典「ウニ☆フェス」も。子どもも大人も楽しめる面白企画が満載です!


Q&A …ウニ殻コレクターでもあるクワちゃんに聞いてみました
Q 1番好きなウニは?
アフリカに生息するハグルマスカシカシパンです。日本にいるスカシカシパンという菓子パンのようなウニと似ていますが、殻の一部が切れ込んで歯車のようになったウニです。
Q 1番好きな棘皮動物は?
ウミシダという、植物のシダみたいな形の動物です。棘皮動物の中でも地味でマイナーです。「ウニコレ!?」でも展示しますよ。
Q ウニは何を食べるの?
海底の岩に付着している藻や、コンブやワカメなどを主に食べます。ウニに「ふえるわかめちゃん」を与えると、足(管足)を動かして殻の下側にある口の方に持っていく様子がかわいいですよ。
Q ウニや棘皮動物の魅力は?
棘皮動物は脳も心臓も持っていない、奇妙な生き物です。でも、ウニやヒトデやナマコは海辺でたくさん見かけますよね。生き物としての不思議さ、面白さに魅力を感じています。特に、ウニは殻の形や色がさまざまで、きれいなのがいいですね。
Q 何個くらいウニ殻を持ってる?
たぶん数百個。世界中のウニ殻をオークションなどで個人的に少しずつ集めました。自宅にしまってあるウニ殻を時々取り出して、うっとり眺めています。
Q ウニのお寿司は好き?
ミョウバン臭が苦手なので、ウニのお寿司はあまり食べません。生き物としてのウニのほうが好きです。
Q 休日は何をしている?
博物館へ骨格標本を見に行ったり、変わったウニや棘皮動物を見に水族館へ行ったりします。休日も趣味三昧です。
Q 「ウニコレ!?」に行ったらクワちゃんに会える?
もちろん会えます! 質問コーナーに寄せられた質問に回答したり、神出鬼没のクワちゃんラボスペシャルを不定期に開催したりもするので「クワちゃん!」と気軽に声をかけてください。
Q 最後に読者へのメッセージをお願いします!
ウニや棘皮動物の不思議な生態に「ナニコレ!?」と驚いてほしいですね。みんなにウニャー(ウニファン)やキョクヒャー(棘皮動物ファン)になってもらいたいです。

企画展 ウニコレ!? ~棘皮動物はふしぎ~
7月19日(土)~8月31日(日)
ウニを知り、ウニを愛で、ウニを楽しむことができるユニークな企画展。食べるだけではないウニの魅力がいっぱい!
左:よーく見ると棘皮動物の姿があちこちに…。桑原さん徹底監修のチラシも必見です!
板橋区立教育科学館(板橋区常盤台4-14-1)
「人を展示する科学館」がコンセプト。各研究員の得意分野に基づいた情熱やこだわりを感じることができます。
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すずき矯正歯科 板橋区成増1-14-13 池田ビル3階



