緋色茸(月刊Kacce10月号 散歩ウオッチング)

※この投稿は、月刊Kacce2023年10月号(vol.477)掲載記事の再編集です。

 9月29日は十五夜(旧暦の8月15日の夜)で、「中秋の名月」でもありました。十五夜の月は別名「芋名月」とも呼ばれます。今月27日は十三夜(旧暦の9月13日の夜)で、別名は「栗名月」や「豆名月」。十五夜は中国から伝わったもので、十三夜は日本古来の風習ですが、十五夜の月を眺めて十三夜の月を見逃すと“片見月”と言われ、野暮なこととされていたそうです。

 別名は、その時期のお供え物や月の形からも想像できます。ひと昔前の日本の生活は、現代よりずっと優雅な日々だったようですね。ちなみに「芋名月」の芋は里芋のこと。里芋はタロイモの仲間で、日本の食文化において重要な食材ですが、これはまた別の機会に。

ヒイロタケ

 今月は、広葉樹の枯木や切株などに発生するキノコ、タマチョレイタケ科シュタケ属の「ヒイロタケ(緋色茸)」を紹介します。公園などを散歩していると時々目にする、緋色〜朱色の鮮やかなキノコです。傘は半円形から円形で表面は平滑で無毛。よく見るとうっすら環紋があります。時間が経つと傘の表面の鮮やかな色は灰色に退色しますが、傘の裏側(下面)は濃紅色のまま退色しません。触った感触はコルク質〜皮質で非常に硬く、無味無臭で無毒ですが、食用にはなりません。

切株に生えるヒイロタケ

 近年の温暖化で、植物や動物にもいろいろな影響が生じています。今年の猛暑の中では、植栽されたツツジやサツキなどの枯れ木が目立っています。日々の移り変わりを感じながら、透明感のある季節の散歩をお続けください。

森野かずみ

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